Stable Diffusionの呪文には括弧がよく登場します。
本記事では、Stable Diffusionにおける括弧の意味と正しい使い方、更に少し変わったキーワードブレンド構文についても説明します。
括弧を使った表現にはいくつか種類があるから、それぞれの意味と使い方を簡単に解説するよ。
Stable Diffusionの括弧はキーワードの重みづけ
Stable Diffusionでは、括弧によってプロンプトのキーワードの重みを調整することができます。
調整には以下のような構文を用います。
(キーワード: 重み)
重みは1より小さい値であれば重要度が低く、1より大きい値であれば重要度が高いことを意味します。
1つ例を見てみましょう。以下のプロンプト内のキーワード「花(flower)」の重みを調整してみます。
- (flower:0.5)
(flower:0.5),field, mountain, beautiful photo, best quality, detail
- (flower:1.5)
(flower:1.5),field, mountain, beautiful photo, best quality, detail
重み0.5では周囲の風景に対して控えめに花が咲いており、1.5では花の量が増えてより強調されていることがわかります。
このように括弧と重み係数で強調する度合いをコントロールできるので活用していきましょう。
ちなみに、スペースを含むキーワードも (big flower:1.5) のようにまとめて括弧でくくれば強調可能ですし、(flower, mountain:1.3) のように複数のキーワードをまとめて括弧でくくって強調することもできます。
便利な小技
プロンプトのキーワードを選択して「Ctrl+↑」で重要度UP、「Ctrl+↓」で重要度DOWNすることができます。
毎回単語の前後に括弧を入力するのは面倒なので、意外と時短になるよ。
Stable Diffusionの2種類の括弧 ( )と[ ]
Stable Diffusion WebUI AUTOMATIC1111では、もう1つキーワードを調整する方法があります。
それが ( )と[ ]の数で調整する方法です。
(キーワード)で、括弧内の強さを1.1倍に強調できます(キーワード: 1.1と同じ)
[キーワード]で、括弧内の強さを0.9倍に減少させます(キーワード: 0.9と同じ)
括弧の数を増やすことで効果を乗算することができます。
- (キーワード) は1.1倍
- ((キーワード)) は1.21倍
- (((キーワード)))は1.33倍
- ((((キーワード))))は1.46倍
同様に、複数の[]を使用した場合の効果は次のとおりです。
- [キーワード] は0.9倍
- [[キーワード]] は0.81倍
- [[[キーワード]]] は0.73倍
- [[[[キーワード]]]] は0.66倍
(キーワード)と(キーワード:1.1)では全く違いはないので、好みの表現を使いましょう。
個人的には(キーワード:係数)の方がよく使うかな。
Stable Diffusion 括弧の応用編 キーワードブレンド
お次は[ ]を使った少し上級テク。
以下のような構文を用いることで2つのキーワードを混ぜ合わせることができます。
[キーワード1:キーワード2:係数]
この構文内の係数はキーワード1がキーワード2に切り替わるタイミングを制御するもので、0から1の間の数値になります。
例えば、次のようにシルバーの髪とピンクの髪をブレンドする場合を考えてみましょう。
[Silver hair:Pink hair:0.7]
この場合、サンプル数を仮に20ステップとすると、はじめの14ステップはシルバーとして画像を生成し、残りの6ステップはピンクとして生成することになります。
つまり、係数が1に近づくほど最初のキーワードの色合いが強く、係数が0に近づくほど2つめのキーワードの色合いが強くなります。
この構文は、たとえばボールペンとミカンのように形状の全く異なるキーワードでも動作します。
形状の異なるキーワードをブレンドする場合、最初のキーワードの形状が強めに反映される傾向にあります。最初キーワードで全体像と構図が決まり、その後2つ目のキーワードで修正していくようなイメージです。
強調したいキーワードを先に持ってきた方がうまくいきやすいってこと。
人の顔をブレンドしたりもできるから試してみてね。
まとめ|括弧を使ってプロンプトに強弱をつけよう
Stable Diffusion WebUI AUTOMATIC1111にはいくつかの括弧の使い方があります。
意味と使い方が一度わかってしまえば全然難しくないので、括弧を活用してプロンプト内のキーワードに強弱をつけましょう。
ローカル環境でのAI画像生成に限界を感じている人は、クラウド上へのStable Diffusionの導入も検討してみてはいかがでしょうか。
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